「和食」の食事マナーの基本

和食のマナー テーブルマナー
和食のマナー

和食のマナーについて

小さいころから慣れ親しんだ和食。

ご存知の方も多いと思いますが、食べる順序や姿勢など、細かい部分でマナーがあります。

キチンとしたマナーを実際に知っている人は少ないでしょう。

社会人にもなると会食や冠婚葬祭のシーンが増えて、食事マナーを問われる場面も当然ながら増えてきます。

知っていれば恥ずかしい思いをしたり、不安になる事はありません。正確な食事のマナーの知識を持って、安心して会食に出かけましょう。

日本食の現場を20年経験後、マナーコンサルタントのYasuが、和食のマナーについて詳しく紹介していきます。

マナーを覚えたい方は、ぜひ参考にしてください。

和食の食事前のマナー

和食には、食べる前から細かなマナーがあります。マナーを工程順に紹介していきます。

  • 服装について
  • 入室について
  • 席次の決め方について
  • 座布団の使い方について
  • おしぼりの使い方について
  • お箸の使い方について

和食の服装マナー

基本的に、割烹料理や料亭で和食を頂く際の服装は着物が良いとされていますが、普段から着物を着る習慣のない人が着物を着ること自体が大変なことですし、きちんと着れたとしても、動きにくいと感じるでしょう。

着物の着用が難しいといった場合は男性ならスーツ、女性ならワンピースがベターです。

女性の場合、短い丈ですと正座した際に膝が露出してしまうので避けましょう。

男性の場合、タイトなボトムスですと正座しにくいので出来るだけゆとりのあるボトムスをお勧めします。

また、正座が苦しくなったら足を崩して座っても問題ありません。

洋服の場合足を崩しているのが分からないようなゆったり目の服を選択するのがい良いでしょう。

和室へ入室時のマナー

和室に入る際の、ふすまの開閉は、一度に行わない事がマナーとされています。

 1.ふすまの前に正座をします。

 2.ふすまに近い方の手で5cm程開きます。

 3.反対の手でふすまを自分の身体の中央位まで開けます。

 4.ふすまは自分の通る幅だけ開いて全開にはしません。

 5.両手を床につき、失礼いたしますと挨拶をします。

 6.立ち上がり、下座側の足から入室します。

 7.入室後、ふすまの方を向き、もう一度すわります。

 8.ふすまに近い方の手でへりを持ち、自分の身体の半分まで閉めます。

 9.反対の手で完全に閉まる5cm程て前の所で止めます。

 10.引き手に手をかけて完全にゆっくりと締め切ります。

コートやバッグがある場合

コートやバッグなど荷物の置き場所として、床の間に置いてしまいがちです。

しかし、床の間は和室でも神聖な場所とみなされているので置いてはいけません。

コートは入口の近くにバッグはテーブルの下に置きましょう。

席次の決め方のマナー

和室には上座と下座があります。

上座は、床の間に最も近い方になります。下座は、出入口に近い方になります。

入室後は下座に正座をし、相手が来るのを待つようにしましょう。

座布団の座り方のマナー

座布団は本来位の高い人の座るものでした、それがお客様を尊重するという心から、お迎えする際に用意されるものへと変わっていきました。

ですので、座布団には目上の人に勧められてから座るのが基本マナーになります。

また、座布団を裏返したり、位置を変えるのも作法違反になります。

 1.座布団に座る時は下座に膝をつきます。

 2.畳に手をつき、膝を座布団の上に載せます。

 3.手で体を支えながら、座布団の中心に座りなおします。

注意:座布団はおもてなしの「心」ですので、踏みつけたり跨ぐ行為は無礼で、マナー違反となりますので気を付けましょう。

おしぼりの使い方のマナー

おしぼりは手を拭く以外には使用しません。口や顔を拭かない様に注意しましょう。

 1.右手でおしぼりを取ります。

 2.左手に持ち替えます。

 3.おしぼりを開いて両手を拭きます。

 4.汚れた方を内側に折り畳みます。

 5.元の場所に戻します。

おしぼりで手を拭く際は、右手でおしぼりを取り左手に持ち替えます。

お箸の使い方のマナー

日本では古くから「箸使いはその人なりを表す」といわれています。

綺麗な箸の使い方ができると、それだけで相手にも好印象を与える事ができるためきちんとお箸の使い方を覚えましょう。

 1.右手でお箸の右から1/3辺りを上から持ち上げます。

 2.左手でお箸を下から支えます。

 3.右手を右へすべらせお箸の下へ持ち替えます。

 4.左手を離して右手だけでお箸を持ちます。

 5.下のお箸は動かさず、上のお箸のみを動かして料理をいただきます。

やってはいけない!お箸の使い方のNG集

  • 迷い箸:箸を使って何を食べようかとお皿の上で迷い動かすこと。
  • 返し箸:持ち手の方にお箸をひっくり返して持ち料理を取ること。
  • 刺し箸:箸を使って料理を箸で突き刺して食べること。
  • 寄せ箸:箸を使って器を自分の方へ寄せ動かすこと。
  • 探り箸:箸を使って器の中で料理をかき混ぜるように食べたいものを探すこと。
  • 渡し箸:箸を箸置きに置かずに、器の上に置くこと。
  • 握り箸:箸を正しく持たず、握るように持つこと。
  • 移り箸:ご飯や汁物を挟まずに、偏って料理を食べ続けること。
  • ねぶり箸:箸を口のに入れてなめること。
  • もぎ箸:箸についた米粒を口の中でもぎ取ること。

和食の食事中のマナーを覚えましょう

ここでは、食事中のマナーを以下の順で覚えていきましょう。

 1.食べる順番について

 2.ふたの使い方について

 3.焼き魚の食べ方について

 4.平皿の使い方について

食べる順番について

懐石料理や会席料理などは、コース料理のように料理が1品1品で出されます。

その場合は、出された料理からお箸をつけるのが正しいマナーです。

料理を食べ切らないうちに次の料理が運ばれてきた場合は、運ばれてきた料理に1度箸をつけてから、残っている料理をいただきましょう。

一気に料理が提供される場合は、汁物、ご飯、おかずの順番に食べるのがマナーとされています。

ふたの使い方について

お吸い物にはふた付きのお椀が使われることがほとんどです。ふたの取り扱いは以下のように行いましょう。

 1.お椀に左手を添えて右手でふたをゆっくり持ち上げます。

 2.ふたの内側に水滴がついているため、「の」の字を書くようにふちに沿ってふたを開けます。

 3.あけたふたは左手を添え裏返します。

 4.お椀が右側にあれば右に置き、左側にあれば左に置きます。

 5.食べ終わったらお椀にふたをかぶせましょう。

焼き魚の食べ方について

日本食では焼き魚は左を頭にして盛り付けるのがマナーの基本なっています。古来から右利きの文化だった日本は食べやすさからや、お祝い事では必ず左に頭を置く。

「左上位、左優位」の伝統習慣があるためです。

焼き魚の食べ方マナー手順

1.ヒレを取ります

尾ひれや腹びれは始めに身から外しておくと食べやすいです。外したひれはお皿の隅にまとめましょう。

2.中骨に沿って身に箸を入れます

頭から尾の方へ中骨に沿って箸先を入れていきます。

背中側と腹側の身を切り離しておきます。そうすることで身が剥がしやすくなり、きれいに食べることができます。

3.頭の後ろから尾にかけて身を食べていく

頭の後ろから尾へと一方向に食べ進めます。背中側が食べ終わったら、腹側も頭側から尾に向かって食べていきます。

4.中骨を取ります

中骨と下の身の間に箸を入れて骨を浮かせて、箸で尾の骨を折って身からはずし、頭をつけたまま中骨全体をはずします。また懐紙などで頭を持つと、尾の骨が外しやすいです。

5.外した骨は半分に折り、皿の隅へまとめます

頭を付けたまま中骨をはずし、中骨を折って皿の隅にまとめるます。小骨やヒレなども中骨と一緒にまとめると食べ終わったお皿が美しい。

6.上身と同様に頭の後ろから食べます

下身も上身と同様に頭の後ろから食べ始め、腹側へと箸を進めていきます。

尾にたどり着いた時に、お皿の中央がきれいだったら、上手に食べ終えたと言えます。

この基本のルールを守っていれば、大体のお魚はきれいに食べることができます。

魚に限らずですがキレイな食べ方はその場にいる人へ好感を与えます。

また、魚は汚い食べ方をすると真っ先に目についてしまう食材でもありますね。

魚の命に感謝する意味でも隅々まで綺麗に美味しく食べることを心がけましょう。

やってはいけない焼き魚のマナー違反NG集

尾ビレ側から食べる

前述の通り、魚は頭から尾に向かって食べるのがマナーです。気をつけましょう。

魚をひっくり返す

上身を食べ終えたら、ついひっくり返して食べてしまいますね。しかしこれも実はNGなのです。

裏返さずに、中骨を剥がして下身を食べましょう。

食べてしまった骨を口から取り出す

骨は箸で先に取ってから口に運ぶのが基本マナーですが、取りそびれることもありますね。

もし口の中に骨が入ってたとはいえ、取り出すときに指でつかんで出すことはNG行為なのです。

箸を持っていない手で口を隠し、箸で骨を取り出すのが正しい作法になります。

平皿の使い方について

懐石料理や会席料理などの前菜は、平皿で提供されることがあります。

平皿に直で乗っている料理はそのままいただきます。

小鉢やお椀に入っている料理は、必ずお皿を持ち上げていただくようにしましょう。

串を使っている料理は、串から料理を1つずつ外してからいただきます。

外した串は、器の向こう側に置いておきましょう。

注意!意外と知らないマナー違反

手皿

手皿とは料理を口に運ぶ際に、手を受け皿のようにして添えることを言いマナー違反です。汁気が多い料理を食べる時は、汁を落とさないようにとつい手皿をやってしまう人もいるのではないでしょうか。

どうしても汁をこぼしてしまいそうな時は、手皿ではなく小皿や懐紙(ふところがみ)などで汁を受けるようにしましょう。

お箸を持ちながらお皿を持つ

ついついやってしまいがちなのが、お箸を持ったままお皿を持つこと。

お箸を持ったまま、お皿を持つのもマナー違反なので、和食ではお皿とお箸を両手で持たないようにしましょう。

食べる姿勢

食べる時に正しい姿勢をとることは、和食に限らずとても重要です。

食事を食べる時は、背筋を伸ばしテーブルと適切な距離を保つようにします。

猫背になってしまうと、顔とお皿が近くなり「犬食い」のような形に見えてしまいます。

また、猫背での食事は消化不良にもつながるため、見た目や健康的に考えても正しい姿勢で食事を食べるのが良いでしょう。

・持ち上げていいお皿とそうでないお皿

和食には、さまざまな種類のお皿が使われています。

中には持ち上げて食べてはいけないお皿もあるので、持ち上げて良いお皿といけないお皿をまとめてみました。

〇はOK / ×はNG / △は場合による

・先付け(前菜):△

・吸い物:〇

・向付け(お造り):×

・焼き物:×

・煮物:△

・揚げ物:×

・蒸し物:〇

・ごはん、止め椀(汁物):〇

・水菓子:〇

※基本的に中皿、大皿は持ち上げてはいけないと覚えましょう。

・食べ終わった食器を重ねる

お皿は傷つきやすいし、高価なものもあるため、食べ終えたお皿を重ねるのはマナー違反となります。

また、お皿を重ねると裏側も汚れてしまうため、片付ける人のことを考えてもお皿は重ねない方が良いでしょう。

・割り箸を左右に割る

割り箸の場合は、左右に割ると隣の人に当たってしまうかもしれないので、上下に割るようにしましょう。

割り箸を水平に持って上下にゆっくりひっぱるときれいに割れます。

最後に

社会人になると、会食で本膳料理や懐石料理などの和食を食べる機会が増えますね。

そんな時のためにも、きちんとした和食のマナーを身に着けておけば、自信を持って会食に参加できて、相手にも良い印象を与えられます。

この記事では、和食のマナーを細かく紹介してきましたが、1回ですべてのマナーを覚えて実践するのはなかなか難しいものです。

普段の食事から和食のマナーに気を使いながら、自然に体に覚えさせていくといざという時に慌てずすみますね。

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